眠りの達人 　~蒲團屋 山昇~

毎度ありがとうございます。

４月が終わりました。今年の３分の１が過ぎました。新装オープンがあり、例年と違う内容ではありますが、それでも厳しい状況ですね。原因はお天気のせいにしてはいけませんが、安定しないお天気が影響してはいると思います。しかしながら、そんな事を言っていても何も解決にならないので、やはり自分の行いだと反省して、これからの夏場は気合いをさらに入れ直して頑張りたいと思います。
　とはいえ、嬉しい事も沢山ありましたので、毎日楽しく商いができる事を、兎に角目指していきたいと思います。

　昨日、私が羽毛布団リフォームの配達に出掛けている際に、ご来店頂いたお客様がいらっしゃいました。母親が羽毛布団の丸洗いでご注文承ったのですが、店に戻り私がその羽毛布団を確認したところ、少し問題のある羽毛布団でしたので、すぐにお電話を差し上げ事情を説明させて頂いたところ、先ほど再びご来店頂きました。
　ふとん丸洗いでお預かりした羽毛布団２枚ですが、結局はそのままお客様がお持ち帰りになり、お洗濯はしませんでした。
　何故なら・・・、お預かりした羽毛布団が一般的な羽毛布団でなかったから。というのも、昔流行った「ノンキルト」というミシンで縫って無いキルティング、つまりアイロンテープで圧着したキルティングの羽毛布団でした。


この羽毛布団を丸洗いのお洗濯をすると、圧着部分がはがれてしまう恐れであるのです。従って、もう１０年以上もこのキルティングを採用しているメーカーは無いと思います。それが何故あるかと言うと、つまり悪徳業者だからです。

　一般の消費者にしてみれば、他のメーカーと違うキルティングで、わずかな縫い目からでも羽毛が飛び出すことがあるので、それを思うと一切飛び出しはないと利点を言います。しかしながら、一度離れてしまったら後はどうしようもありません。そんなデメリットは絶対に言いません。
ビックリする事に、このお客様購入時の伝票をお持ち頂きました。羽毛布団１枚が４８万円、下取りが２０万円ほど、２枚買われてその他敷きパットのような物も買わされていて、なんと６０万円ほどお支払いされていました。
　羽毛布団のラベルをみると、


１枚は、表生地が絹５０％混の生地、シベリア産のダウン９３％がなんと１，４Ｋｇも入っています。絹交織の生地を使うことも、訪問販売業者は良くやる手口ですが、絹が弱く生地がすれてしまいます。シベリア産の９３％の羽毛なら、１、３Ｋｇ入れで充分、１，４Ｋｇも入れるなんて、中身が信用出来ません。
　もう一枚は、


同じく絹交織の生地に、なんとグースダウン９５％の表示、で有りながらもなんと１，５Ｋｇ入りと、でたらめにもほどがあります。しかも、こんな羽毛布団が２０万円以上もするなんて、絶対にインチキとしか言いようがありません。でも、お客様はそんな事解らないわけですから、買ってしまいました。

後日、再び訪問されて、今度は羽毛布団の丸洗い１枚３万円で注文され、その他にもトルマリン入りの何かも買ったとの事で、２０万近い伝票もお持ちでした。
　今更仕方無いことですので、「高い授業料を支払ったと思って、これからは、まずは相談して下さい」とお願いしました。さらに、またしばらくしたら連絡があると思うので、その時はきっぱりと断って下さいとお願いしました。

このような事が解ったのも、「そろそろリフォームの時期だから」と連絡が入ったそうです。となると、まだまだ使える羽毛布団でも、「ダニだらけだった」など言っては、また高い羽毛布団を売りつけるのです。どこかできっぱりと言わないと、ずっと騙され続けてしまうので、くれぐれも注意して下さい。

いつになっても、悪徳業者というのは後を絶たないし、次から次へと手口も変えてきます。まずは、買う前にちょっと考えて下さい。そして、是非ご相談下さい。
　本日もありがとうございました。